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伊勢市まちなみ保全事業

伊勢市まちなみ保全事業

この事業は、平成21年10月1日伊勢市景観計画の運用に伴い、廃止しました。伊勢市景観計画においては重点地区として指定しており、また、平成21年10月1日付けで都市計画法に基づく景観地区を決定しています。

1.事業の概要

まちなみ保全地区

(1)経緯

 昭和54年8月、失われつつあるまちなみの保全と再生のため、地元の人々による「内宮門前町再開発委員会」が結成され、まちなみ保全の第一歩を踏み出しました。


 昭和57年3月、「内宮門前町町並み保存」についての要望書が市へ提出されるとともに、昭和61年7月に「内宮門前町町並み修景保存等に関する請願」が市議会で採択されました。


 この間、文化財保護法による伝統的建造物群保存地区、地区計画、まちづくり協定、建築協定など様々な手法を検討してきましたが、それぞれに一長一短があり、ついに平成元年9月、市独自条例「伊勢市まちなみ保全条例」の制定に至ったものです。


 平成2年6月には「内宮おはらい町まちなみ保全地区並びに同保全計画」を告示し、保全事業をスタートさせています。


 平成4年10月、無電柱化工事完了。


 平成5年6月、おはらい町再舗装(石畳)工事完了。


 平成21年9月末までで、87件の届出があり、このうち貸付申請は15件となっています。

(2)事業目的

 神宮の門前町として古くから発達してきた伊勢市は、内宮おはらい町をはじめとし、古いまちなみが残されており、それらのまちなみの保全と整備を推進し、地域性豊かなまちづくりを行うものです。

(3)事業内容

 保全地区内において新・増築・改築等の修景を行う場合は、保全整備基準に基づき、伊勢の伝統的家屋形態(切妻・妻入り、または入母屋・妻入り)を再現・維持(主に外観部分)することとしており、必要に応じてその資金の貸付を行っています。修景、貸付に当たってはその都度、審議会に諮り決定しています。
指定地域  宇治今在家町、宇治中之切町、宇治浦田町1丁目の一部。
おはらい町通り約800mうち約580m
(1)面積 約53,000平方メートル  
(2)対象戸数約56軒、約140棟
 
貸付内容 (1)貸付額 1,000~30,000千円(10万円単位)
(2)貸付利率 年2%
(3)償還期限 20年以内(元利均等償還)
 
審議会 委員8名で任期は2年。

2.事業の特徴

 伊勢市特有の建築様式である「切妻・妻入り」「入母屋・妻入り」を基本として、往時のまちなみを再生しようとするまちづくり運動です。したがって伝統的建造物群保存地区のように、いわゆる凍結保存ではなく、古いまちなみを新たに創出することに重点を置いています。このことにより、住民が現在の生活を損なうことなく「生活のにおいのするまちづくり」をすすめることができます。

3.おはらい町保全の経過

1979(昭和54)年8月15日

内宮門前町再開発委員会結成

1979(昭和54)年9月1日

「おはらい町再構想計画書」発行(同委員会)

1980(昭和55)年4月1日

内宮門前町再開発会議結成

1982(昭和57)年3月8日

「内宮門前町町並み保存についての要望書」市へ提出

1986(昭和61)年5月20日

「内宮門前町町並み修景保存等に関する請願」市議会へ提出

1986(昭和61)年7月21日

「内宮門前町町並み修景保存等に関する請願」市議会で採択

1987(昭和62)年8月

「内宮門前町町並み調査報告書」発行(伊勢市・中村研究室)

1989(平成元)年9月30日

伊勢市まちなみ保全条例公布

1990(平成2)年1月19日

第1回伊勢市まちなみ保全審議会開催

1990(平成2)年6月7日

伊勢市内宮おはらい町まちなみ保全地区並びに同保全計画告示

1992(平成4)年10月

無電柱化工事完了

1993(平成5)年6月

道路再舗装(石畳)工事完了

1993(平成5)年7月16日

おかげ横丁オープン

1994(平成6)年8月7日

「内宮門前町再開発会議」を「伊勢おはらい町会議」に名称変更

 

4.伊勢のまちなみと妻入りの家

 伊勢のまちなみは、建物の形態が切妻・妻入りであるところに特徴があります。


 一般に平入りのまちなみが「連続性」を感じさせるのに対し、妻入りのそれは「リズム感」を感じさせます。街道の両側に並ぶ家々のファサードがのこぎり状に高低をつけているからです。


 伊勢の建物が妻入りになった理由には、土地の形状によって屋根の面積によって、あるいは来勢者に対する雨水の処理など諸説があり、また、人々の間では、神宮社殿への遠慮(神宮社殿は切妻・平入り)からという考えが一般化しています。


 外壁は、杉の赤味板を張り付けた外囲い(ささらこ下見板張り)でおおわれ、煤と魚の油で練った「ぬれガラス」と呼ばれる防腐塗料で黒く塗られています。屋根は、「伊勢瓦」と呼ばれる伊勢特有の瓦で葺かれ、二階部には「張り出し南張り」と呼ばれる外囲いが設けられています。


 また、一階の軒庇の先端には「軒がんぎ板」という垂木の鼻隠しがすえられ、これが、まちなみに連続性を持たせる大きな要因となっています。

意匠



5.内宮おはらい町まちなみ保全整備基準

 保全地区内の建築物等は、各種法規制に適合させるとともに、その保全整備基準は次のとおりとする。

(1)建築物等は、原則として外観をこの基準に適合させるものとし、保全地区内の道路から通常望見できる内部(おおむね前面から約3.6m)は、外観とみなすものとする。


(2)建築物等の階数は、地階を除いて3以下とする。


(3)建築物の形態は、切妻・妻入りもしくは入母屋・妻入りとし、基本的に木造とする。


(4)建築物1階には軒庇を用い、その高さは、できるだけ現在の家並みにそろえるものとする。


(5)外壁又はこれに代わる柱の面から道路境界線までの距離は、可能な限り、現在の家並みにそろえるものとする。


(6)屋根及び軒庇には日本瓦を用い、色はグレーもしくはそれに類したものとする。


(7)外壁は、きざみ囲い(下見板張り)を基本とし、1階には軒がんぎ板、2階には張り出し囲いを用いるものとする。


(8)建築物等の道路に面する建具は木製とし、2階開口部には出格子を用いるものとする。


(9)建築物等の色彩は、周囲の調和を乱さないものとする。


(10)屋外に設置する空調機器、屋外広告物のデザイン、色彩、大きさは周囲の景観に支障を及ぼさないようにする。


(11)現存する建築物のうち、まちなみにそぐわないものは、今後の改築修繕等に際し、この基準に基づき、周囲との調和を図るものとする。


(12)上記に準拠することが困難なときは、伊勢市まちなみ保全審議会の指導によるものとする。


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