干潟保全の取り組み
干潟は、魚介類の産卵場や幼稚魚の保育場として水産資源の保護・培養に重要な役割を果たすとともに、水質浄化、多様な生物の育成の場、保養・学習の場など多面的な機能を有しています。
こうした機能は、これまで漁業者が漁業活動のかたわらに実施する保全活動によって維持されてきましたが、近年、海洋環境の変化や漁業者の減少・高齢化などにより、保全に必要な活動量が確保できず、これらの多面的機能は低下しつつあり、水産資源の減少や水質の悪化などが懸念されています。
こうした状況の中、漁業者が中心となって行う干潟保全活動を国と地方自治体が支援する「環境・生態系保全活動支援事業」が平成21年度に創設され、伊勢市では現在、今一色干潟保全会が干潟の保全に取り組んでいます。この取り組みは5年間継続して行うもので、水産資源の回復や水質の改善、生物多様性の保全などに期待がもたれています。
実施している保全活動
1.耕うん
耕うんすることで干潟の底質を改善し、生物が住みやすい環境に変えます。
2.稚貝等の沈着促進、保護区域の設定
海苔網を張ってその場所を保護区とすることで、砂泥の移動を防止し、稚貝などの沈着を促進するとともに、干潟の生息生物の保護をねらいます。
3.浮遊・堆積物の除去
流木やプラスチックなどの干潟に堆積・浮遊するゴミを除去し、干潟の多面的機能の維持を図ります。
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