花火の見方
花火の楽しみ方・良い花火のポイント
伊勢神宮奉納全国花火大会は、秋田県・大曲の「全国花火競技大会」、茨城県・土浦の「土浦全国花火競技大会」と並び、日本三大競技花火大会の一つとされています。そのため、花火の質もハイレベル。花火師たちの入魂の作品が披露されます。
賑やかに彩られるスターマインはとても人気がありますが、ひとつひとつの花火に見応えがあるのは「割物」と呼ばれる打上花火です。同じ花火はまずなく、一発一発それぞれの表現はすべて違います。上昇の仕方や開くタイミング、開き方、色の変化、消え方のすべてをまばたきを惜しんで見ることで、花火という一瞬の美に物語を感じることができれば、なかなかの花火通と自負できるかもしれません。
花火にはどんな種類があるの?
打上花火は、玉の構造によって「割物」「ポカ物」「小割物」に分けられます。
「割物」は、花火玉が破裂したときに星(火薬玉)が丸くひらく花火です。世界に類をみない、正確な球状に揚がる「割物」は、日本を代表する美しい花火といわれています。
「ポカ物」は、花火玉が上空でポカッと割れ、丸くひらかず、中に詰めた星が落ちていく花火です。
「小割物」は、大きな花火玉の中に小さな花火玉がたくさん入っており、花火玉が割れたときに小さな花火がたくさんひらく花火です。
菊〈きく〉-割物
星(火薬)が尾を引きながら放射状に飛び散って、丸くひらく花火です。光の色が変化するものを「変化菊」といいます。
牡丹〈ぼたん〉-割物
「菊」と同様に丸くひらきますが、尾を引かず、中心から光の点を発して球状にひらく花火です。「牡丹」は「菊」よりも鮮やかな光を放ちます。
冠〈かむろ〉-割物
大きくひらいた大輪が流れ落ち、地面近くで消える花火です。
型物〈かたもの〉-割物
色々な形を花火にしたもので、ハートや蝶、土星などがあります。会場からは大きな歓声が上がる人気の花火です。
柳〈やなぎ〉-ポカ物
上空から柳の枝が垂れ下がるように落ちてくる花火です。
飛游星〈ひゆうせい〉-ポカ物
上空で花火玉がひらいたときに、光が不規則な動きをする花火です。
蜂〈はち〉-ポカ物
シュルシュルと音を出して、回転しながら不規則に夜空を飛び回り、観覧者を楽しませてくれる花火です。
千輪〈せんりん〉-小割物
花火玉が割れてから、少し間をおいて中に詰まったいくつもの小輪の花が一斉にひらく花火です。
打上花火の部
「打上花火の部」では、花火師1人あたり10号玉曲導付割物1発と5号玉創造花火3発の計4発での競技を行います。
色彩・配色・技術等で審査します。
割物
一般的に丸く開く花火や弾けて開く花火は“割物”といわれます。
真円に開き、一斉に点火し、一斉に消えるのが良い花火といわれますが、最近では趣向を凝らした花火も多く、型物と呼ばれる形を模ったデザインを取り入れた花火も多くあります。
割物では、花火の層が2重(芯入)、3重(八重芯)、4重(三重芯)、5重(四重芯)などの花火が放揚され、花火の精度は一層匠の技となっています。また最近では6重の五重芯も登場しています。
花火玉には花火の光り方や開き方、尾(※花火を打上げるときに空へ昇っていく炎の光)の引き方によってそれぞれ名前が付けられていることが多く(玉名〈ぎょくめい〉)、菊や牡丹を代表したものは日本を代表する花火の技といえます。
また、ドーンと響く音を楽しむのも割物の醍醐味ではないでしょうか。
創造花火
創造花火は”創造”の名のごとく、決まった型にとらわれない、従来の丸型の概念を破った花火や、色や形にこだわった花火等です。何かのキャラクターの形をした花火や、食べ物の形をした花火など、なかなかお目にかかれない花火も打ちあがります。個々の花火の色彩、形、その創造性、テーマがあり、その主題をいかに演出するかが評価の基準になります。
スターマインの部
「スターマインの部」では、参加花火師が自ら設定したテーマに沿った花火を限られた時間内で表現します。
- 玉数・時間に限りがあります。
- 色彩・配色・打ち上げのリズム等で審査します。
スターマイン
連続花火ともいわれ、花火のリズムと彩色などを総合的に楽しむことがスターマインの醍醐味といえます。また、最近では音楽に合わせたスターマインが主流化しつつあります。
良い花火のポイント
「割物」は、花火玉が破裂したときに丸くひらく花火です。どこから見ても同じように丸く見える、正確な球状に揚がる「割物」は、世界に類をみない、日本を代表する美しい花火といわれています。
一斉に点火し、真円に開き、一斉に消えるのが良い花火といわれますが、どのようなポイントがあるのか、ここでは良い花火の条件をご紹介します。
玉の座り
打ち上げられた花火玉が最高点でひらくものが理想とされています。これを”玉の座りが良い”といいます。
花火玉が上がっている途中でひらくと扇形になり、落ちながらひらくと星が流れる傾向にあります。
盆
玉がひらき、星が一斉に飛び散って作る形を「盆」といいます。大きくてきれいな真円(球)であることが最高です。楕円やいびつな形、玉の大きさ相当の広がりのないものは良くありません。
肩
花火玉から星が勢いよく放射状にまっすぐ飛ぶものが最高とされ、”肩の張りが良い”といいます。星が先でふらふら泳いだり、着火しない星があるとその部分が黒く抜けて見える「抜け星」になったりするものは良くありません。
消え口
星が燃え尽きた状態を「消え口」といい、すべての星が同時に変化して色を変え、一斉にパッと消えるものが最高とされ、これを”消え口が揃う”といいます。
花火玉の制作過程
「星(変化星)」の制作
星をつくる原料となる薬品をふるいにかけてまぜあわせています
星掛け(造粒)作業中
花火玉のできるまで
花火のいちばん外側となる親星から並べていきます。
花火が球状にひらくのは、球状の花火玉に星が同心円状に詰められているからです。
星と火薬を層になるように重ねていきます。
ふたつの半球をあわせ、貼りあわせます。
できた玉の表面にのりのついたクラフト紙を貼ります。
天日で乾燥、玉貼りを繰り返し、完成です。
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