認可地縁団体が所有する不動産に係る登記の特例
認可地縁団体が所有する不動産に係る登記の特例について
地縁団体が認可を受けて法人格を取得し、不動産登記を行っても、所有権の移転登記を行う際、名義人が多数で相続登記がされていないなど登記義務者が判明しない場合は、全ての相続人の確定や承諾を得ることが難しく、認可地縁団体への所有権の移転登記が困難なことがあります。
そのため、平成27年4月1日より、地方自治法が一部改正され、認可地縁団体が所有する不動産に係る登記の特例制度が創設されました(地方自治法第260条の38)。これにより、一定の要件を満たすものについては、申請により市長の公告手続きを経て、認可地縁団体が登記申請できるようになりました。
登記の特例を受けるための要件
次の4つの要件(地方自治法第260条の38第1項)を満たす場合、この登記の特例に関する申請が可能です。
- 申請不動産を所有しているのが認可地縁団体であること
- 申請不動産を10年以上所有の意思をもって、平穏かつ公然と占有していること
- 不動産の表題部所有者又は所有権の登記名義人の全てが認可地縁団体の構成員又はかつて当該認可地縁団体の構成員であった者であること
- 不動産の登記関係者(表題部所有者、所有権の登記名義人、これらの相続人)の全部又は一部の所在が知れないこと
登記までの主な手続きの流れ
登記までの主な手続きは以下のような流れになります。
- 申請事前準備
- 市役所市民交流課へ相談(必要書類等の確認)
- 申請予定不動産の所有者の把握
- 所在が判明している登記関係者から特例適用を申請することについて同意取得
- 総会の開催
- 特例適用を申請する決議
- 保有資産目録に当該不動産の記載がない場合は、その不動産を取得するに至った経緯等についての決議
- 市へ申請
〔提出書類〕- 公告申請書
- 申請不動産の登記事項証明書(全部事項証明書)
- 保有資産目録又は保有予定資産目録
- 申請者が代表者であることを証する書類
- 申請要件に該当することを疎明するに足りる資料
- 審査
市で申請要件を満たしているかどうかの書類審査 - 公告
申請要件を満たしている場合は、市長による公告を行う(公告期間は、3か月間以上) - 情報提供
公告に対して異議がなかった場合、登記関係者の承諾があったものとみなし、市は申請者に対し、書面にて公告結果の情報提供 - 登記手続き
申請者は市からの通知、その他登記に必要な書類を揃えて、法務局で登記手続き
公告に対する異議申し立て
申請不動産の所有権移転等の登記をすることについて、異議のある登記関係者は、公告期間内に「申請不動産の登記移転等係る異議申出書」と関係書類を提出し、異議申し立てを行うことができます。異議申し立てがあった場合は、市が異議を述べた方に係る資格要件を確認し、認可地縁団体にその旨通知します(地方自治法第260条の38第5項)。これにより、認可地縁団体の公告を中止することになります。
必要書類
- 申請不動産の登記移転等に係る異議申出書
- 申請不動産の登記事項証明書
- 住民票の写し
- その他市長が必要と認める書類
その他
この特例制度は、認可地縁団体が所有する不動産について、その所有権の保存または移転の登記を認可地縁団体のみの申請により可能とするものです。不動産登記は対抗要件としての公示制度として位置づけられるものであり、当該不動産の所有権の有無を確定させるものではありません。なお、市の認可を受けていない地縁団体が、特例制度の対象となる不動産を所有している場合は、市の認可を受けて認可地縁団体を設立した後であれば、特例適用を申請できます。
現在公告中のもの
現在公告中のものはありません。
申請書
認可地縁団体が所有する不動産に係る申請書
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