平成19・20年度 市・県民税の主な税制改正
平成19年度から市・県民税の負担額が変わります
平成19年度市・県民税に関する負担変更の主な理由
- 国の所得税から地方の市・県民税(市民税・県民税)へ税源移譲が行われています
- 定率減税が廃止されています
- 65歳以上の方への非課税措置の廃止に伴う経過措置対象の方は3分の1の減額となります
上記1の理由により、市・県民税と所得税を合わせた税負担は変わりませんが、多くの方で市・県民税が増え、所得税が減ることになります。
上記2の理由により、多くの方は市・県民税の税負担は増えます。
上記3の理由により、昨年度よりも市・県民税の減税額は減ることになります。
税源移譲に伴う変更内容について
三位一体改革に伴う税源移譲実施のため、所得税と市・県民税の税負担の割合が変わります
(地方でできることは地方に)という方針で進められている三位一体改革の一環として、国から地方への税源移譲が行われます。そのため国の所得税を減らし、地方の市・県民税を増やすことになります。税源移譲にあたっては、全ての納税者の負担が増えないように、市・県民税と所得税を合わせた税負担は変わらないように配慮されています。
市民税・県民税の税率が10%に統一
従来は3段階の税率になっていましたが、平成19年度から所得の多い少ないに関わらず一律10%の税率に変わることになりました。
(表1参照)
表1 市・県民税の税率を一律とします
課税所得 | 市民税率 | 県民税率 |
---|---|---|
200万円以下 | 3% | 2% |
700万円以下 | 8%-100,000円 | 2% |
700万円超 | 10%-240,000円 | 3%-70,000円 |
課税所得 | 市民税率 | 県民税率 |
---|---|---|
一律 | 6% | 4% |
- たとえば、課税所得が300万円の場合の税額は・・・
〔改正前〕300万円×10%-10万円=20万円、〔改正後〕300万円×10%=30万円となります。 - 課税所得とは?
皆さんの給与や事業収入などは税法上「収入」と呼ばれるものです。「課税所得」とはこの「収入」から給与所得控除や基礎控除、扶養控除、社会保険料控除といった諸控除を差し引いた残りの金額のことです。この「課税所得」に税率をかけたものが「税額」となります。
所得税の税率の変更により、税源移譲に伴う所得税及び市・県民税を合わせた税の負担は変わりません
市・県民税所得割の税率改正に伴い、平成19年分から所得税の税率も見直されました。
市・県民税については最低税率が5%から10%に引き上げとなっていますが、所得税は逆に最低税率が10%から5%に引き下げ、最高税率が37%から40%に引き上げとなります。
(表2参照)
表2 所得税の超過累進税率を6段階に再編する
課税所得 | 改正前 | 改正後 |
---|---|---|
195万円以下 | 10% | 5% |
330万円以下 | 10% | 10%-97,500円 |
695万円以下 | 20%-330,000円 | 20%-427,500円 |
900万円以下 | 20%-330,000円 | 23%-636,000円 |
1,800万円以下 | 30%-1,230,000円 | 33%-1,536,000円 |
1,800万円超 | 37%-2,490,000円 | 40%-2,796,000円 |
また、人的控除額の差に対応した減額措置なども講じられます。
これらの措置により、税源移譲の前後で市・県民税と所得税の合計した税額は変わりません。
(表3参照)
表3 税源移譲前と税源移譲後の税負担
※一定の社会保険料が控除されるものとして計算しています。
※上記は税源移譲による負担変動を示すものです。このほか定率減税が廃止される等の影響があることにご留意ください。
市・県民税と所得税の人的控除差について(調整控除)
扶養控除や配偶者控除などの人的控除額に差(表4参照)があります。したがって同じ収入金額でも、市・県民税の課税所得は、所得税よりも多くなっていますので、市・県民税の税率を5%から10%に引き上げた場合、所得税の税率を引き下げただけでは、税負担が増えてしまうことになります。
このため、個々の納税者の人的控除の適用状況に応じて、市・県民税を減額(調整控除といいます)することによって、納税者の税負担が変わらないようにしています。
表4 市・県民税と所得税の控除差額
控除 |
市・県民税 |
所得税 |
人的控除額の差 |
---|---|---|---|
障害者控除:普通 |
26万円 |
27万円 |
1万円 |
障害者控除:特別 |
30万円 |
40万円 |
10万円 |
寡婦控除:一般 |
26万円 |
27万円 |
1万円 |
寡婦控除:特別 |
30万円 |
35万円 |
5万円 |
寡夫控除 |
26万円 |
27万円 |
1万円 |
勤労学生控除 |
26万円 |
27万円 |
1万円 |
配偶者控除:一般 |
33万円 |
38万円 |
5万円 |
配偶者控除:老人 |
38万円 |
48万円 |
10万円 |
配偶者特別控除:40万円未満 |
33万円 |
38万円 |
5万円 |
配偶者特別控除:40万円超45万円未満 |
33万円 |
36万円 |
3万円 |
扶養控除:一般 |
33万円 |
38万円 |
5万円 |
扶養控除:特定 |
45万円 |
63万円 |
18万円 |
扶養控除:老人 |
38万円 |
48万円 |
10万円 |
扶養控除:同居老親 |
45万円 |
58万円 |
13万円 |
同居特別障害者加算 |
23万円 |
35万円 |
12万円 |
基礎控除 |
33万円 |
38万円 |
5万円 |
- 課税所得金額が200万円以下の方
1と2のいずれか小さい額の5%- 人的控除額の差の合計額
- 課税所得金額
- 課税所得金額が200万円超の方
{人的控除額の差の合計額-(課税所得金額-200万円)}5%
ただし、この額が2,500円未満の場合は2,500円とする。
分離課税等の税率割合の変更について
分離課税等に係る都道府県と市町村分の税率割合等が、税源移譲後の市民税6%、県民税4%の割合に合わせ変更されました。
なお、変わるのは税率の割合のみで、市民税と県民税の合計の税率は変わりません。(表5参照)
表5 分離課税の税率割合の変更
区分 |
備考 |
改正前 |
改正前 |
改正後 |
改正後 |
---|---|---|---|---|---|
長期譲渡:一般の土地、建物等の譲渡所得 |
3.4% |
1.6% |
3.0% |
2.0% |
|
長期譲渡:優良住宅地等の譲渡所得 | 譲渡益2,000万円以下 |
2.7% |
1.3% |
2.4% |
1.6% |
長期譲渡:優良住宅地等の譲渡所得 | 譲渡益2,000万円超 |
3.4% |
1.6% |
3.0% |
2.0% |
長期譲渡:居住用財産の譲渡所得 | 譲渡益6,000万円以下 |
2.7% |
1.3% |
2.4% |
1.6% |
長期譲渡:居住用財産の譲渡所得 | 譲渡益6,000万円超 |
3.4% |
1.6% |
3.0% |
2.0% |
短期譲渡:一般の土地、建物等の譲渡所得 |
6.0% |
3.0% |
5.4% |
3.6% |
|
短期譲渡:国、地方公共団体への譲渡所得 |
3.4% |
1.6% |
3.0% |
2.0% |
|
株式等に係る譲渡所得(上場株式以外) |
3.4% |
1.6% |
3.0% |
2.0% |
|
上場株式等に係る譲渡所得等 | (注1)優遇税率 |
2.0% |
1.0% |
1.8% |
1.2% |
先物取引に係る雑所得等 |
3.4% |
1.6% |
3.0% |
2.0% |
|
土地の譲渡等に係る事業所得等 | 平成21年度まで課税停止 |
9.0% |
3.0% |
7.2% |
4.8% |
肉用牛の売却による農業所得 |
1.0% |
0.5% |
0.9% |
0.6% |
区分 |
備考 |
改正前 |
改正前 県民税 |
改正後 |
改正後 |
---|---|---|---|---|---|
配当控除における控除率 | 課税所得1,000万円以下の部分 |
2.0% |
0.8% |
1.6% |
1.2% |
配当控除における控除率 | 課税所得1,000万円超の部分 |
1.0% |
0.4% |
0.8% |
0.6% |
外国税額控除における控除限度額 |
国税控除限度額の20% |
国税控除限度額の10% |
国税控除限度額の18% |
国税控除限度額の12% |
|
配当割額又は株式譲渡所得割額の控除における割合 (注2) |
優遇税率適用の間は市2/3、県1/3 |
68/100 |
32/100 |
3/5 |
2/5 |
(注1)平成20年12月31日までの間は表中の税率が適用されます。
(注2)平成20年度分以後の住民税から適用されます。
減税の廃止
定率減税が廃止されました
定率減税とは、その年度分の所得割額から一定の率で減額する制度です。平成11年度から経済活動の回復のため特別措置として導入されてきましたが、平成19年度で廃止されました。
- 〔改正前〕所得割の7.5%相当額(上限2万円)
- 〔改正後〕廃止になります。
65歳以上の方への非課税措置の廃止に伴う経過措置
65歳以上で前年の合計所得金額が125万円以下の方への非課税措置が平成18年度から廃止となりました。
ただし、経過措置として平成17年1月1日現在で65歳に達し、前年の合計所得金額が125万円以下の方は、平成18年度分については所得割および均等割の税額の3分の2を減額しましたが、平成19年度は3分の1を減額します。
(表6参照)
表6 非課税措置廃止の経過措置
平成17年度 | 非課税 |
---|---|
平成18年度 | 2/3減額 |
平成19年度 | 1/3減額 |
平成20年度 | 全額課税 |
非課税措置について
障害者・寡婦もしくは寡夫に該当する方
前年の合計所得金額が125万円以下で障害者・寡婦もしくは寡夫に該当する方については市・県民税が非課税になります。
65歳以上の方はこれまで年齢要件によって市・県民税の非課税措置が適用されていました。しかし、上記非課税措置が廃止されたことに伴い、年金収入(遺族年金、障害年金を除く)だけの人でも、障害者・寡婦もしくは寡夫であることの申告をしていただかないと税金がかかる場合があります。ご注意ください。
※障害者には身体障害者手帳等の交付を受けている方だけでなく、介護認定を受けている方で、「障害者控除対象者認定書」の交付をうけられる方も含みます。
上記の改正内容は平成19年度からの主な改正点や留意事項です。
平成20年度(実施分)市・県民税 税制改正について
平成20年度から実施される市・県民税の税制改正の内容は次の通りです。
地震保険料控除が創設されます
損害保険料控除が廃止され、地震保険料控除が創設されます。地震保険料控除の対象となる保険料の2分の1に相当する金額が控除されます。(限度額2万5千円)
経過措置として、平成18年12月31日までに締結した長期損害保険契約等(地震保険料控除の対象になるものを除く)の保険料等については、従前の損害保険料控除が適用されます。(限度額1万円)
所得税の住宅ローン控除減少額相当分が市・県民税から減額
住宅ローン控除は所得税にのみある制度でしたが、税源移譲により所得税が減少した結果、控除限度額が所得税額を超えてしまい控除しきれなくなる場合があります。この場合に所得税から控除しきれなかった額に相当する額を翌年度の市・県民税から減額します。(平成11年から平成18年までに入居した場合に限り適用されます。)
大きな所得変動があった方についての経過措置
平成19年度分市・県民税の課税所得金額(申告分離課税分を除く)から所得税との人的控除額の差の合計額を控除した金額がある方で、かつ、平成20年度分市・県民税の課税所得金額(申告分離課税分を含む)から所得税との人的控除額の差の合計額を控除した金額がない方について、申告により平成19年度分の市・県民税を改正前の地方税法の規定の例によって算出した税額まで減額する経過措置が講じられます。
お問い合わせ
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