賃貸住宅でのトラブル
一般的な賃貸住宅の契約の流れ
- 情報収集
- 内見(物件の現地確認)
- 入居申し込み → 審査
- 宅地建物取引士による重要事項説明
- 契約締結(契約書の交付)
- 入居
- 契約更新
- 退去通知 → 建物引渡し
- 原状回復・敷金精算
「賃貸借契約」を理解して、トラブルを防ごう!!
トラブル事例
- 賃貸マンションを借り、敷金など約18万円を支払ったが、入居できなくなった。解約を申し出たら「契約は成立している。清掃費用以外は返金できない」と言われた。鍵も受け取っていない。なんとかならないか。
- 賃貸マンションを退去後、貸主から、ハウスクリーニング費用等で計17万円の原状回復費用を請求された。敷金礼金はない部屋で、契約書に原状回復に関する特約もなかった。高額な請求に納得できない。
トラブル防止のポイント
【契約時】契約書類の記載内容や賃貸物件の現状をよく確認しましょう。
内見(部屋の現地確認)は必ずしましょう。
「賃貸マンションをインターネットで見て契約したが、周囲の環境(日当たりや騒音など)や部屋の臭いなどが我慢できなくてすぐ解約した。入居月と翌月の家賃は払わなければならないのか。」という相談もありました。
契約前に書類の内容をよく確認しましょう。
特に、禁止事項、修繕に関する事項、退去する際の費用負担に関する事項や、特約について必ず確認しておきましょう。
仲介手数料が家賃1ヵ月分になっている場合は、「法律上は0.5ヵ月分なので、0.5ヵ月分にしていただけますか?」と交渉してみましょう。
入居前に、できる限り貸主側(大家や管理会社)と一緒に賃貸物件の現状を確認しておきましょう。
(入居前からあったキズや汚れ等の写真を撮っておくと、退去時のトラブル防止につながります。)
※賃貸住宅契約時は、関連リンク中の『契約書のチェックポイント』シートをご活用ください。
申込みをキャンセルしたい場合
賃貸契約書の作成をもって契約成立となります。
後日契約書を作成調印することにより、契約を締結することが明確に予定されている場合においては、契約成立前なので、申し込みのキャンセルは可能です。
- 宅建業者に申込金などを渡してある際は、申込金の返還を受けましょう。
- 契約が成立していないので、仲介手数料を支払う必要もありません。
【入居中】入居中のトラブルは貸主側にすぐ相談しましょう。
雨漏りやトイレの水漏れ等のトラブルが発生したら、すぐに貸主側に連絡し、どうすればよいか相談しましょう(貸主側に無断で修理すると、料金の精算でトラブルになる場合があります。)。
賃貸人の義務
有償で建物を賃貸している賃貸人は、賃貸物の使用・収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない(民法606条)。
賃貸人は、その建物を使用・収益に適した状態(居住に適した状態)に維持すべき義務がある(判例より)。
【退去時】精算内容をよく確認し、納得できない点は説明を求めましょう。
退去の通知
多くの場合、「退去の場合は、退去予定日の1か月前までに通知する」などの決まりがあります。契約書の条項を確認し、早めに通知するようにしましょう。
大掃除程度の清掃をし、荷物の搬出後に、残置物が無いか確認しましょう。
原状回復
賃貸物件の退去時は、入居時と同様に、できる限り貸主側と一緒に賃貸物件の現状を確認しましょう。
(確認した内容をメモに残したり、修繕が必要と思われる箇所の写真を撮ったりして、証拠となる記録を残しておくことが大切です。)
基本的に、入居者の故意・過失で汚した・壊したものは入居者が補修費用を負担し、経年劣化や通常使用による損耗は貸主(大家)が補修費用を負担します(経年劣化や通常損耗による補修の費用は、家賃に含まれているものとされています)。
請求費用に納得できない場合は、「消費生活センターや弁護士などに相談してみる」と事業者に告げ、その場で確認書などの書類にはサインしないようにしましょう。
納得できない費用を請求された場合には、国土交通省が定めている「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参考に、貸主側に説明を求め、費用負担について話し合いましょう。
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」一例
- 通常損耗 → 冷蔵庫の裏の黒ずみ(電気焼け)、家具を置いていた跡(へこみ)、画びょうの跡
- 経年劣化 → 畳の日焼け、フローリングの退色
- 入居者の故意・過失による汚損 → たばこのヤニによる壁紙の変色・消臭、結露によるカビ
※費用請求時、耐用年数は考慮されますが、工事に伴う費用の負担(壁紙の張替え工事費用など)が必要な場合もあります。基本的に、補修可能な最低限度を施行単位としますが、壁紙の場合、壁1面分までは妥当と考えられています。
事故物件の告知義務(「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」より)
告知の原則
宅地建物取引業者は、人の死に関する事案が取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合には、これを告げなければならない。
告知しなくて良い場合
- 賃貸借・売買取引
取引対象不動産で発生した- 自然死
- 日常生活の中での不慮の死(転落事故、誤嚥など)
- 賃貸借取引
取引対象不動産および日常生活において通常使用する必要がある集合住宅の共用部分で下記の事案が発生(特殊清掃の場合は発覚)し、概ね3年が経過した後- 1.以外の死
- 特殊清掃が行われた1.の死
- 賃貸借・売買取引
取引対象不動産の隣接住居、日常生活において通常使用しない集合住宅の共用部分で発生した- 1.以外の死
- 特殊清掃が行われた1.の死
- 上記1から3に該当する場合でも、事件性・周知性・社会に与えた影響等が特に高い事案は告げる必要がある。
- 上記1から3に該当しない場合でも、取引の相手方の判断に重大な影響を及ぼすと考えられる場合は、告げる必要がある。
- 人の死の発覚から経過した期間や死因に関わらず、買主・借主から事案の有無について問われた場合や、社会的影響の大きさから買主・借主において把握しておくべき特段の事情があると認識した場合等は告げる必要がある。
特殊清掃とは
孤独死などが発生した住居において、原状回復のために消臭・消毒や清掃を行うサービスのこと。
集合住宅の共用部分とは
ベランダ等の専用使用が可能な部分のほか、共用の玄関・エレベーター・廊下・階段などのこと。
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