【質問】新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)のオミクロン株について分かってきたことを教えてください。(「広報いせ」令和4年10月1日号掲載)
皆さんが疑問に思っている健康などに関する素朴な質問に対し、市立伊勢総合病院の谷崎医師がお答えします。さまざまな症状の患者さんに対応する「総合診療科」の観点から、分かりやすく「広報いせ」などでお答えしていきますので、皆さんの日常生活にぜひお役立てください。
【回答】症状・検査・治療について分けて説明します。
症状は?
デルタ株と比べて、咽頭痛(「焼け付くような痛み」と表現される方が多いです)や声の変化(しゃがれたような声)の頻度が増え、鼻水、脱毛、味覚・嗅覚障害の頻度は減りました。オミクロンの中でもBA.1やBA.2と呼ばれるタイプがありますが、現在流行の中心にあるBA.5でもこれらの症状は変わらないようです。実際の症状は、発症してから平均1週間程度で改善します。発熱も3日くらいは続くので、すぐに解熱しなくても焦らないことが大切です。
なお、以前のデルタ株までは発症7日目以降に肺炎に移行して重症化する人が散見されましたが、オミクロン株になってからはその頻度がかなり減少し、ワクチンを3回以上接種している人に限ると、肺炎に移行する人は激減しました。
検査は?
新型コロナの検査は、主に抗原検査とPCR検査がありますが、陽性を100%検出できるわけ
ではありません。両方とも、症状が出てから3・4日目に最も検出感度が高くなりますが、その感度は抗原検査で80%程度、PCR 検査で95%程度です。つまり、最も感度の高い時期に検査をしても、抗原検査で5人に1人、PCR 検査でも20人に1人は偽陰性(本当は陽性なのに検査で陰性と出ること)になります。発症直後は、もっと感度が低くなります。また、ワクチンを1回以上接種している人と比べると、ワクチン未接種の人の方が陽性になりやすいようです。
治療は?
新型コロナの治療は、悪くなってから治療薬を追加する方法から、悪くならないように発症初期から予防薬を投与するという方針に変わってきました。
現在使用できる予防薬は、内服薬(飲み薬)ではモルヌピラビル(ラゲブリオ®︎)とパクスロビド(パキロビット®︎)、点滴ではレムデシビル(ベクルリー®︎)が使用できます。いずれも発症早期(およそ5日以内)に投与することで重症化予防に有効です。なお、以前使われていた抗体療法はオミクロン株には効果が低いので、もはや使用されていません。
油断しすぎずに感染防止対策を
ワクチンを3回以上接種している、または重症化リスクが全くない若年者にとっては、新型コロナはもはや死に至る病ではなくなりました。
ただし、それでも症状が強く出る場合があることや、免疫不全など基礎疾患のある人はない人に比べて重症化リスクが高いことなどから、引き続き油断しすぎずに感染防止対策をしながら生活していくことが大切です。
健康に関する素朴な質問を募集中!
質問の応募方法
皆さんからの、日常生活で気になるちょっとした「健康に関する質問」を募集します。いただいた質問は、谷崎医師がピックアップ(選択)し、「広報いせ」などで随時お答えしていきます。
募集期限
当面の間(新型コロナウイルスの感染が収束するまで)
質問方法
質問内容とともに住所・氏名・電話番号を記入し、直接または郵送・ファクス・Eメール・本ページ内の健康なんでも相談室質問受け付けフォームで伊勢市役所広報広聴課(〒516-8601 岩渕1丁目7-29、ファクス 22-9699、Eメール ise-koho@city.ise.mie.jp)へ
※質問者の住所・氏名・電話番号は掲載しません。(本取り組み以外には使用しません)
※質問内容・回答は、市のホームページ・SNS・ケーブル行政放送などの市広報媒体で掲載する場合があります。
※質問内容は、必ず「健康に関する質問」でお願いします。掲載に不適切であると思われる質問にはお答えできません。また、個人的な質問にはお答えしかねますので、あらかじめご承知おきいただきますよう、よろしくお願いいたします。
※いただきました全ての質問にお答えできませんので、あらかじめご了承ください。
健康なんでも相談室質問受け付けフォーム
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