【質問】新型コロナウイルス感染症の飲み薬が開発されていますが、どのような薬なのでしょうか?(「広報いせ」令和4年1月1日(新春合併)号掲載)
皆さんが疑問に思っている健康などに関する素朴な質問に対し、市立伊勢総合病院の谷崎医師がお答えします。さまざまな症状の患者さんに対応する「総合診療科」の観点から、分かりやすく「広報いせ」などでお答えしていきますので、皆さんの日常生活にぜひお役立てください。
【回答】内服する(薬を飲む)ことで、入院や死亡のリスクが減少します。
新型コロナウイルスに対して効果が証明された抗ウイルス薬は点滴のレムデシビルのみでしたが、ついに内服薬が開発されました。モルヌピラビルとパクスロビドという、早口で言うとどちらも舌を噛みそうな名称の薬ですが、令和3年10月に臨床試験の中間解析の結果が出ました。発症5日以内に内服することで、重症化リスクのある人の入院や死亡を、モルヌピラビルは50%減らし、パクスロビドは85%減らしました(いずれも有効成分を含まない薬との比較)。この結果だけを見ると「パクスロビドの方がすごい!」と思いがちですが、どちらが優れているかを正確に調べるには、モルヌピビルとパクスロビドを直接比較した別の臨床研究が必要です。重症化予防といえば抗体療法も有効ですが、点滴投与のみのため、医療機関の受診が必要です。一方、飲み薬であれば自宅療養でも気軽に内服できますし、もし、インフルエンザの治療薬のように感染者の家族への感染を予防する効果が証明されれば、重症化させないだけでなく、発症させないために内服する、という使い方もできるかもしれません。
いずれの薬剤もまだ正式に論文化されていませんので、効果を結論づけるには時期尚早ですが、現場の臨床医としては治療の幅が広がることはとてもありがたいと思っています。
※令和3年12月10日現在の情報です。
健康に関する素朴な質問を募集中!
質問の応募方法
皆さんからの、日常生活で気になるちょっとした「健康に関する質問」を募集します。いただいた質問は、谷崎医師がピックアップ(選択)し、「広報いせ」などで随時お答えしていきます。
募集期限
当面の間(新型コロナウイルスの感染が収束するまで)
質問方法
質問内容とともに住所・氏名・電話番号を記入し、直接または郵送・ファクス・Eメール・本ページ内の健康なんでも相談室質問受け付けフォームで伊勢市役所広報広聴課(〒516-8601 岩渕1丁目7-29、ファクス 22-9699、Eメール ise-koho@city.ise.mie.jp)へ
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※いただきました全ての質問にお答えできませんので、あらかじめご了承ください。
健康なんでも相談室質問受け付けフォーム
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