【質問】肺炎球菌のワクチンについて、接種から5年経過すると効果がなくなってくると聞いたのですが、追加接種する必要はあるのでしょうか？（「広報いせ」令和5年4月1日号掲載）

ページ番号1015226　 更新日 令和5年3月27日

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皆さんが疑問に思っている健康などに関する素朴な質問に対し、市立伊勢総合病院の谷崎医師がお答えします。さまざまな症状の患者さんに対応する「総合診療科」の観点から、分かりやすく「広報いせ」などでお答えしていきますので、皆さんの日常生活にぜひお役立てください。

【回答】追加接種することで抗体価が再上昇し重症化予防効果を高めることが期待できます。

肺炎は命に関わる病気

肺炎は、令和4年の日本人の死因第5位であり、高齢になるにつれその頻度は増加し、死亡率も上昇します。肺炎を起こす微生物はさまざまですが、その中でも頻度が高く、かつ死亡率が高い細菌が肺炎球菌です。肺炎球菌はその名の通り、普段は肺炎だけ引き起こすのですが、ときに血流により肺を飛び出して全身に行きわたることがあります。さらには脳に到達して髄膜炎(ずいまくえん)を引き起こすなど、命に関わる病気の原因にもなります。（これら、肺以外の場所で肺炎球菌が引きおこす感染症を、「侵襲性肺炎球菌感染症（しんしゅうせいはいえんきゅうきんかんせんしょう）」と呼びます）

ワクチンでリスク低減

肺炎球菌による感染症を予防するためのワクチンは世界では何種類かありますが、現在日本で使用できる肺炎球菌ワクチンは、23価肺炎球菌ワクチン（ニューモバックス® NP ）と13価肺炎球菌ワクチン（プレベナー13®）の2種類です。過去の研究では、65歳以上の人に対して、23価肺炎球菌ワクチンの接種により侵襲性肺炎球菌感染症のリスクを約75%減らし、肺炎球菌肺炎のリスクも約50%減らすことが示されています。よって、65歳以上の高齢者全員に接種が勧められています。また、定期接種の対象でもあるので、初回接種に限り市では助成が受けられ、3,000円で接種できます。(詳しくは、次のリンクをご確認ください)

• 高齢者用肺炎球菌予防接種について（伊勢市ホームページ）

2回接種を推奨

肺炎球菌ワクチンの予防効果の指標は抗体価だけではありませんが、初回接種から4〜7年たつと抗体価が大きく下がってしまうことが分かっているため、5年後に2回目の接種をすることが推奨されています。つまり、初回接種から5年で全く効果がなくなるわけではないですが、5年後に再接種することで、より長期に効果を持続させることを期待しているのです。
なお、3回・4回目の接種の免疫学的な効果と安全性は確認されていますが、それを全員に勧めるほどのメリットは現時点では確認できていません。よって、持病の有無に関わらず、65歳以上の人であれば最低でも1回、可能であれば初回接種から5年後以降に2回目接種をご検討いただければと思います。

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質問の応募方法

皆さんからの、日常生活で気になるちょっとした「健康に関する質問」を募集します。いただいた質問は、谷崎医師がピックアップ（選択）し、「広報いせ」などで随時お答えしていきます。

募集期限

当面の間（新型コロナウイルスの感染が収束するまで）

質問方法

質問内容とともに住所・氏名・電話番号を記入し、直接または郵送・ファクス・Eメール・本ページ内の健康なんでも相談室質問受け付けフォームで伊勢市役所広報広聴課（〒516-8601 岩渕1丁目7-29、ファクス 22-9699、Eメール ise-koho@city.ise.mie.jp）へ

健康なんでも相談室質問受け付けフォーム

本受け付けフォーム内において必須事項を記入し、「内容」欄に質問内容とともに住所・氏名・電話番号をご記入ください。

• 健康なんでも相談室質問受け付けフォーム（広報広聴課へのお問い合わせシステム併用）