【質問】メタボ健診さえ受けていれば大丈夫でしょうか?(「広報いせ」令和6年7月1日号掲載)
皆さんが疑問に思っている健康などに関する素朴な質問に対し、市立伊勢総合病院の谷崎医師がお答えします。さまざまな症状の患者さんに対応する「総合診療科」の観点から、分かりやすく「広報いせ」などでお答えしていきますので、皆さんの日常生活にぜひお役立てください。
【回答】いや、残念ながらそうではありません。
健診と検診の違い
皆さんは毎年健康診断(いわゆる健診)を受けていますか?また、がん検診も受けていますか?
健診と検診、どちらも「けんしん」と読みますが、その目的は微妙に異なり、健診は病気になる危険があるかどうかを調べることが目的で、検診は病気があるかどうかを調べることが目的です(例:がん検診など)。老衰を除いて、日本人の死因のうち多いものは悪性新生物(いわゆる悪性腫瘍:がん)、心疾患、脳血管疾患です。これらの病気はある日突然起こるわけではなく、いくつかの原因が合わさって発症します。
三大疾病の予防・早期発見のために…
心疾患や脳血管疾患の多くは血圧・血糖・コレステロールの異常、および喫煙、年齢が原因と言われています。年齢を若返らせることは今の医学では不可能ですので、私たちは健診で血圧を測ったり、採血で血糖値やコレステロール値を測ったりすることで、異常があれば食事療法や運動療法、時に薬物治療でその数値を正常化しようと頑張るわけです。
悪性腫瘍は、その種類によって原因はさまざまで、原因不明のものもあれば生活習慣が原因のものもあります。残念ながらどれだけ生活習慣に気をつけていても完全にがんを防げるわけではないので、症状がなくてもがん検診を受けることが勧められています。なお、感染症もがんの原因になることがあり、例えば肝がんはB型・C型肝炎ウイルスが、子宮頸がんや中咽頭がんはヒトパピローマウイルス(HPV)が、胃がんはピロリ菌が原因になると言われています。これらの感染症にかかってもすぐにがんが発生するわけではありませんので、早期に感染を発見して感染症の治療をすることでがんが発生するリスクを“ぐっ”と下げることができます。もちろん、B型肝炎ウイルスワクチンやHPVワクチンなど、感染しないためのワクチン接種も有効です。
基本は生活習慣
さて、最初の質問に戻りますが、メタボ健診をはじめとした健診(検診)を受けることはとても重要なのですが、そもそも病気にならないための習慣を実践することがそれ以上に重要です。バランスの取れた食生活を送り、適度な運動をし、十分な睡眠を取り、禁煙し、飲酒はしても適度に、そして可能であれば必要なワクチンも接種する。これら全てを完璧に実践するのは難しいかもしれませんが、まずはできるところから始めてみてはいかがでしょうか。
健康に関する素朴な質問を募集中!
質問の応募方法
皆さんからの、日常生活で気になるちょっとした「健康に関する質問」を募集します。いただいた質問は、谷崎医師がピックアップ(選択)し、「広報いせ」などで随時お答えしていきます。
質問方法
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(〒516-8601 岩渕1丁目7-29、ファクス 22-9699)
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