【質問】高血圧はどうすれば改善できるのでしょうか?(「広報いせ」令和5年8月1日号掲載)
皆さんが疑問に思っている健康などに関する素朴な質問に対し、市立伊勢総合病院の谷崎医師がお答えします。さまざまな症状の患者さんに対応する「総合診療科」の観点から、分かりやすく「広報いせ」などでお答えしていきますので、皆さんの日常生活にぜひお役立てください。
【回答】まずは減塩がお薦めですが、血圧以外の生活習慣にも目を向けてみましょう。
そもそも高血圧とは
高血圧とは一般に、収縮期血圧(いわゆる「上の血圧」です)が140mmHg以上のことであり、基本的にはこの値より低い状態を維持することが重要です。高血圧が長年続くと動脈硬化を起こし、いずれは心筋梗塞や脳卒中、腎不全といった重大な病気へとつながっていきます。
塩分摂取量を減らしましょう
高血圧対策として重要なものは、まずは食事、特に塩分摂取量です。日本人は世界的に塩分摂取量が多く、平均で1日あたり男性は11g、女性は9g 程度摂取しているようで、これは世界保健機関(WHO)が推奨している塩分摂取量(男性7.5g 未満、女性6.5g 未満)よりもずっと多い量です。普段の料理よりも加工食品に含まれる塩の方が多く、特にインスタントラーメン1個で約5gも含まれており、これらの食品ばかり摂取しているとあっという間に1日の推奨塩分量を超えてしまいます。できる限りインスタントラーメンなどを避けること、インスタントの汁は飲まないことを、まずは意識しましょう。
また、普段の食事では、自宅の食卓や手の届く範囲に塩を置かないことも重要です。これは、ちょっと取りに行くという一手間が面倒くさいと感じる人間の習性を利用して、結果的に塩をかける回数を減らす狙いがあります。あとは、塩入れ容器は穴の数が少ないものを選ぶことなども効果的です。
とはいえ、いきなり塩分摂取量を減らすのはなんとなく味気なくて、正直続けられないことが多いですよね…でも大丈夫です。確かにいきなり減らすと物足りなく感じてしまい、減塩が続きませんが、塩分量を年に1・2割ずつ減らしていくと、人間の舌が減塩を感知できず、物足りなさを感じることなく減塩に成功することが報告されています。よって、まずは1割減から、コツコツと始めてみてはいかがでしょうか?
重大な病気の発症を防ぐために
ところで、高血圧を改善する最大の目的はなんでしたっけ…?
そう、心筋梗塞などの重大な病気の発症を防ぐためでしたね。残念ながらこれらの重大な病気は、血圧のコントロールだけでは防ぎきれません。糖尿病やコレステロールの異常もリスクになりますし、運動不足や肥満、睡眠不足、ストレスなどもそれぞれリスクになります。中でも一番危険なのはタバコですので、健康になりたい人で喫煙している人がいたら、まずは禁煙できないか考えてみることが最初の一歩なのです。
健康に関する素朴な質問を募集中!
質問の応募方法
皆さんからの、日常生活で気になるちょっとした「健康に関する質問」を募集します。いただいた質問は、谷崎医師がピックアップ(選択)し、「広報いせ」などで随時お答えしていきます。
募集期限
当面の間(新型コロナウイルスの感染が収束するまで)
質問方法
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