【質問】新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)について、オミクロン株と他の変異ウイルスで異なる点を教えてください。(「広報いせ」令和4年3月1日号掲載)
皆さんが疑問に思っている健康などに関する素朴な質問に対し、市立伊勢総合病院の谷崎医師がお答えします。さまざまな症状の患者さんに対応する「総合診療科」の観点から、分かりやすく「広報いせ」などでお答えしていきますので、皆さんの日常生活にぜひお役立てください。
【回答】デルタ株と比べて、感染しやすいかわりに、重症化しにくい特徴があります。症状ではのどの痛みが多く、味覚・嗅覚障害は少なめのようです。
オミクロン株の特徴

(画像提供:国立感染症研究所)
新型コロナは、従来株から始まり、その後アルファ株やデルタ株など、いくつかの変異を繰り返してきました。オミクロン株の症状は、直近のデルタ株と比べて、のどの痛みが多く、新型コロナに特徴的であった味覚・嗅覚障害は少ないと報告されています。また、デルタ株と比べて入院リスクが5分の1から3分の1程度と、重症化しにくい特徴があるようです。これを聞くと安心したくなりますが、デルタ株が流行した時と比べて、既に感染して抗体を持っている人やワクチン接種による抗体を持っている人が多かったこと、若年者を中心に流行したこと(もともと重症化リスクが低い)などが影響した結果を見ているだけかもしれません。つまり、高齢者や何らかの持病のある人、特にワクチン未接種の人では、今までの新型コロナ同様、重症化して死に至る可能性も考えておく必要があります。
治療方法
治療は今までの新型コロナと大きく変わりませんが、抗体療法の一つであるカシリビマブ/イムデビマブ(商品名:ロナプリーブ®︎)は効果が期待されないため、使用されなくなりました。
ワクチンの効果
気になるワクチンの効果ですが、残念ながら2回接種していても、デルタ株のときと比べて感染予防効果が低くなることが分かっています。
一方で、3回目を接種することで、予防効果が再度60~80%程度に上昇することも分かっています。また、入院のリスクについては、イギリスのデータによると、ワクチン未接種の人と比べて2回接種した人では65%減少し、3回接種者では81%減少していました。これらのデータから、ワクチンを2・3回接種する意義は十分にありそうです。
まとめ
オミクロン株は、感染力が上がったという暗い話題だけでなく、重症化リスクが低下したなどの明るい話題もありました。これで後遺症もほとんど起こらないのであればなお良いのですが、これはまた続報が待たれます。
健康に関する素朴な質問を募集中!
質問の応募方法
皆さんからの、日常生活で気になるちょっとした「健康に関する質問」を募集します。いただいた質問は、谷崎医師がピックアップ(選択)し、「広報いせ」などで随時お答えしていきます。
募集期限
当面の間(新型コロナウイルスの感染が収束するまで)
質問方法
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