【質問】睡眠不足だと、どのような健康障害が起こりますか?(「広報いせ」令和5年10月1日号掲載)
皆さんが疑問に思っている健康などに関する素朴な質問に対し、市立伊勢総合病院の谷崎医師がお答えします。さまざまな症状の患者さんに対応する「総合診療科」の観点から、分かりやすく「広報いせ」などでお答えしていきますので、皆さんの日常生活にぜひお役立てください。
【回答】最悪の場合、命に関わります。
「24時間、働けますか?」
私が子どもの頃、スーツ姿のギラギラしたサラリーマン男性が某栄養ドリンクを飲みながらアップテンポな音楽に乗せて上記セリフを放つという、とても猛々しいテレビCM が流れていました。当時の日本は今以上の男性優位社会で、全ての時間を仕事に捧げることを「よし」とした滅私奉公マインドのモーレツ社員・企業戦士と呼ばれる(いずれも死語)、マッチョな男性像がもてはやされていた時代です。
睡眠不足による、さまざまなリスク
ところで、24時間働くということは眠らないということですが、実はこれは大変危険な状態であることが分かっています。
人は睡眠により心と体の疲れを取るので、睡眠不足になると常に疲れた状態が続き、あらゆるパフォーマンスが低下します。また、睡眠中に記憶が定着するため、眠らないと記憶力が低下します。さらに、睡眠はホルモンバランスを整えるのにも重要で、眠れないとそのバランスが崩れ、肌荒れや体重増加の原因になります。体重増加は、睡眠不足により、食欲を低下させるレプチンというホルモンが減り、食欲を増進させるグレリンが増加することにより、食べ過ぎてしまうためです(私たちも、眠れない当直の明け方に無性にカップ麺が食べたくなります)。そして、血糖値を下げるホルモンである、インスリンの働きが悪くなって血糖値が上昇したり、常に緊張状態のため交感神経という神経が過敏になり高血圧になったりします。さらに、睡眠不足で精神状態は不安定になり、うつ病や不安障害、アルコール依存や薬物依存の発症率が高くなると言われています。
糖尿病や高血圧は心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる病気の原因になりますし、うつ病が悪化することで死に至ることもあります。アルコール依存や薬物依存もさまざまな死亡リスクを伴います。つまり、睡眠不足が続くことで、長期的には命に関わる事態を招くのです。
よく眠るための工夫を!
というわけで、くれぐれも24時間働くのはやめておきましょう。そして、睡眠不足を甘く見ずに、よく眠るための工夫を凝らしましょう!
健康に関する素朴な質問を募集中!
質問の応募方法
皆さんからの、日常生活で気になるちょっとした「健康に関する質問」を募集します。いただいた質問は、谷崎医師がピックアップ(選択)し、「広報いせ」などで随時お答えしていきます。
募集期限
当面の間(新型コロナウイルスの感染が収束するまで)
質問方法
質問内容とともに住所・氏名・電話番号を記入し、直接または郵送・ファクス・Eメール・本ページ内の健康なんでも相談室質問受け付けフォームで伊勢市役所広報広聴課(〒516-8601 岩渕1丁目7-29、ファクス 22-9699、Eメール ise-koho@city.ise.mie.jp)へ
※質問内容・回答は、市のホームページ・SNS・ケーブル行政放送などの市広報媒体で掲載する場合があります。
※質問内容は、必ず「健康に関する質問」でお願いします。掲載に不適切であると思われる質問にはお答えできません。また、個人的な質問にはお答えしかねますので、あらかじめご承知おきいただきますよう、よろしくお願いいたします。
※いただきました全ての質問にお答えできませんので、あらかじめご了承ください。
健康なんでも相談室質問受け付けフォーム
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