【質問】オミクロン株対応のワクチンについて分かっていることを教えてください。(「広報いせ」令和4年11月1日号掲載)
皆さんが疑問に思っている健康などに関する素朴な質問に対し、市立伊勢総合病院の谷崎医師がお答えします。さまざまな症状の患者さんに対応する「総合診療科」の観点から、分かりやすく「広報いせ」などでお答えしていきますので、皆さんの日常生活にぜひお役立てください。
【回答】副反応については、接種部位の反応や全身の反応などは今までのワクチンと同程度と報告されています。
新型コロナウイルスによる医療現場の変化
新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)が出現した当初は、今よりもずっと致死率の高いウイルス感染症であり、私たち医療従事者も、自身の命の危険を感じながら日々の診療に従事していました。特に、最前線で患者さんに接していた看護師の皆さんの当時のストレスは計り知れないものがあったかと思います。
その後、人類の叡智を結集して開発された新型コロナワクチンのおかげで、重症化率は大幅に低下し、少なくとも仕事中に命の危険を感じることはなくなりました。
流行に備えてのワクチン開発
一方で、オミクロン株に変異してから感染力が増大し、今までのワクチンでは感染予防効果が低いことが分かり、第7波では過去に類を見ない大流行を引き起こしました(重症化予防効果は保たれていました)。おそらくは第8波が起きる可能性も高く、次の流行に備えるため、従来の株にオミクロン株の成分も加えた新たな「2価ワクチン」が開発されました。ワクチンの効果としては、接種によって中和抗体価が上昇することは分かっていますが、実際にどれくらいの感染予防効果、重症化予防効果があるかについては現在もデータを集めている最中です。なお、オミクロン株ワクチン接種後の抗体価は、過去に感染したことがある人の方が大きく上昇するようです。副反応については、接種部位の反応や全身の反応などは今までのmRNA(メッセンジャーアールエヌエー)ワクチンと同程度と報告されています。
新しいワクチンなので、重症化予防効果だけでなく、感染予防効果も長く続いてくれれば良いなあ、と淡い期待を抱いていますが、このあたりは今後、長期間のデータを解析した結果が出てくるのを冷静に待ちたいと思います。
健康に関する素朴な質問を募集中!
質問の応募方法
皆さんからの、日常生活で気になるちょっとした「健康に関する質問」を募集します。いただいた質問は、谷崎医師がピックアップ(選択)し、「広報いせ」などで随時お答えしていきます。
募集期限
当面の間(新型コロナウイルスの感染が収束するまで)
質問方法
質問内容とともに住所・氏名・電話番号を記入し、直接または郵送・ファクス・Eメール・本ページ内の健康なんでも相談室質問受け付けフォームで伊勢市役所広報広聴課(〒516-8601 岩渕1丁目7-29、ファクス 22-9699、Eメール ise-koho@city.ise.mie.jp)へ
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健康なんでも相談室質問受け付けフォーム
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