【質問】新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の後遺症について教えてください。(「広報いせ」令和5年2月1日号掲載)
皆さんが疑問に思っている健康などに関する素朴な質問に対し、市立伊勢総合病院の谷崎医師がお答えします。さまざまな症状の患者さんに対応する「総合診療科」の観点から、分かりやすく「広報いせ」などでお答えしていきますので、皆さんの日常生活にぜひお役立てください。
【回答】倦怠感、脱毛、咳、微熱、味覚・嗅覚障害、記憶障害や集中力低下、不眠・不安などさまざまな症状が報告されています。
最近は、ほとんどがオミクロン株
令和4年12月現在、国内での新型コロナ感染者は累計2,700万人を超え、そのほとんどがオミクロン株以降に感染したものと考えられます。オミクロン株になってからは以前のデルタ株と比べて重症化リスクが低下したため、一部の例を除いてほとんどの人が軽症で済むようになりました。ただし、新型コロナ感染後には心筋梗塞や脳卒中など新型コロナ以外の重篤な病気が増えることも指摘されており、できれば感染したくない病気であることは間違いありません。とはいえ、感染を恐れすぎて社会生活が極度に制限されるようでは経済が回りませんし、何より子どもたちの成長や発達にも悪影響を及ぼしてしまいます。よって、これからは感染リスクをどこまで許容しながら持続可能な社会にしていくのか、みんなで考えていく必要があります。
さまざまな後遺症
新型コロナ感染後に何らかの自覚症状が持続する、いわゆる後遺症も大きな社会問題となっています。大阪大学から発表された日本人のデータによると、新型コロナの後遺症としては、多い順に、倦怠感、脱毛、咳、微熱、味覚・嗅覚障害、記憶障害や集中力低下、不眠・不安などさまざまな症状が報告されています。後遺症の発症から1カ月の時点で何らかの症状が残っている人は5%程度いますが、その割合は経時的に3カ月程度で2.5% まで低下します。このことから、時間とともに症状が改善していくことが分かります。他にも、大人では認知症やてんかん発作などが、子どもでも脳炎、ギラン・バレー症候群、てんかん・けいれん、脳卒中などのリスクが高まるとされています。このように、新型コロナは風邪のような症状が治ったとしても、後になって心身にさまざまな悪影響を及ぼしてくる本当に嫌な感染症です。後遺症を確実に予防する方法はありませんが、ワクチン接種回数が多い人ほど新型コロナの後遺症を起こす割合が有意に低いというデータがあります。
現時点ではどの新型コロナの後遺症にも効くような特効薬はありませんが、個別の症状に応じてさまざまな治療薬が試行されているところです。
※ギラン・バレー症候群とは、免疫システムが自己の末梢神経を攻撃する、まれな疾患です。
健康に関する素朴な質問を募集中!
質問の応募方法
皆さんからの、日常生活で気になるちょっとした「健康に関する質問」を募集します。いただいた質問は、谷崎医師がピックアップ(選択)し、「広報いせ」などで随時お答えしていきます。
募集期限
当面の間(新型コロナウイルスの感染が収束するまで)
質問方法
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