新型コロナウイルスに関する情報との付き合い方(「広報いせ」令和3年8月1日号掲載)
皆さんが疑問に思っている健康などに関する素朴な質問に対し、市立伊勢総合病院の谷崎医師がお答えします。さまざまな症状の患者さんに対応する「総合診療科」の観点から、分かりやすく「広報いせ」などでお答えしていきますので、皆さんの日常生活にぜひお役立てください。
今回は、皆さんが現在日常的に触れている新型コロナウイルスの情報に関する考え方についてお伝えします。
新しい情報に触れたときは、その情報だけに安易に飛びつかないこと、自分の解釈だけで結論づけないことが重要
新型コロナウイルス感染症は死亡することもある恐ろしい感染症ですが、実際には感染者のほとんどが軽症または無症状であるため、若者をはじめ多くの人にとってはその恐ろしさが実感できない感染症でもあります。ただその一方、日常生活を大きく制限されており、いつまでこの状態が続くのかと不安に思っている人も多いのではないでしょうか。
そんな不安の解消には、正しい情報収集が有効ですが、世の中に溢れる情報は必ずしも事実に基づいた正しい情報ばかりとは限らず、全くのニセ情報や、ニセ情報と事実が混ざった情報など、さまざまです。一般に、公的機関からの情報は事実に基づいたものが多いのですが、不安な気持ちがあると事実無根なニセ情報に振り回されやすくなりますので注意が必要です。ニセ情報には「人々の不安な気持ちにつけ込む」「攻撃的な口調が混ざる」「陰謀という言葉を使う」「情報の出どころを表記・説明していない」「英語の訳や解釈を意図的に変える」といった特徴がありますので、何か新しい情報を見つけた際には、まずこれらの項目に当てはまっていないかを冷静に確認しましょう。また、医師や医学博士という肩書きだけで盲目的に信用してもいけません(もちろん、私の言うことも含めて)。過去にMMRワクチンと自閉症との関連を捏ねつぞう造した論文を発表したイギリスの A Jウェイクフィールド医師は、論文の撤回だけでなく医師免許も剥奪されました。なお、その後の大規模試験で、MMRワクチンと自閉症の関係は完全に否定されています(参考文献情報: [ doi :10.1001/jama.2015.3077.])。医師でありながら、医師にあるまじき行動をとる人が存在することは、同じ医師として、とても残念に思います。
最後に、正しい情報であってもそれはその時点で正しいと判断されている情報です。今後新たな情報が蓄積されることで、後になって修正されることもあります。よって、新しい情報に触れたときには、その情報だけに安易に飛びつかないこと、自分の解釈だけで結論づけないことがとても重要です。
健康に関する素朴な質問を募集中!
質問の応募方法
皆さんからの、日常生活で気になるちょっとした「健康に関する質問」を募集します。いただいた質問は、谷崎医師がピックアップ(選択)し、「広報いせ」などで随時お答えしていきます。
募集期限
当面の間(新型コロナウイルスの感染が収束するまで)
質問方法
質問内容とともに住所・氏名・電話番号を記入し、直接または郵送・ファクス・Eメール・本ページ内の健康なんでも相談室質問受け付けフォームで伊勢市役所広報広聴課(〒516-8601 岩渕1丁目7-29、ファクス 22-9699、Eメール ise-koho@city.ise.mie.jp)へ
※質問者の住所・氏名・電話番号は掲載しません。(本取り組み以外には使用しません)
※質問内容・回答は、市のホームページ・SNS・ケーブル行政放送などの市広報媒体で掲載する場合があります。
※質問内容は、必ず「健康に関する質問」でお願いします。掲載に不適切であると思われる質問にはお答えできません。また、個人的な質問にはお答えしかねますので、あらかじめご承知おきいただきますよう、よろしくお願いいたします。
※いただきました全ての質問にお答えできませんので、あらかじめご了承ください。
健康なんでも相談室質問受け付けフォーム
本受け付けフォーム内において必須事項を記入し、「内容」欄に質問内容とともに住所・氏名・電話番号をご記入ください。
より良いホームページにするために、ページのご感想をお聞かせください。
このページに関するお問い合わせ
伊勢市役所
〒516-8601
三重県伊勢市岩渕1丁目7番29号