【質問】飲み薬はなぜそれぞれ飲むタイミング(間隔)が違うのですか?タイミングを間違って飲んだらどうなりますか?(「広報いせ」令和5年5月1日号掲載)
皆さんが疑問に思っている健康などに関する素朴な質問に対し、市立伊勢総合病院の谷崎医師がお答えします。さまざまな症状の患者さんに対応する「総合診療科」の観点から、分かりやすく「広報いせ」などでお答えしていきますので、皆さんの日常生活にぜひお役立てください。
【回答】それぞれで効果の持続時間が異なるためです。
違いは、効果の持続時間
皆さんにとって、理想的な飲み薬とはどんな薬でしょうか?個人的には、1回飲めばたちまち病気が治る、そんな薬が理想的と考えますが、そのような薬はなかなか存在しません。そもそも薬を服用後にその効果が発揮されるためには、私たちの体内で一定の濃度が維持される必要があります。24時間程度の効果が持続する薬であれば1日1回で良いですが、数時間で効果が切れる薬であれば1日3・4回の服用回数を必要とします。飲む側としては服薬回数が少ない方がありがたいですよね。それを反映してか、近年新たに発売される新薬の多くは服用回数が少ない設計になっています。しかし、新薬の薬価はどうしても高くなる傾向にあることと、未知の副作用が隠れている可能性などもあるため、新しければ良いというわけでもないのです。一方、抗菌薬などの古くから使われている薬は、服用回数が1日3回と比較的多めであることが多いですが、薬価は安く、長年の使用経験のおかげで、起こりうる副作用もほぼ解明されています。
服用期間を守る
病気によってはある程度の期間連続して服用しないと再発したり、治りきらなかったりするものもありますので、処方された薬の量や回数だけでなく、いつまで服用するのかについても医師や薬剤師に尋ねるようにしましょう。痛み止めのように、症状に合わせて飲んだり飲まなかったりしてよい薬もあれば、抗菌薬のように定められた期間きっちり飲みきる必要がある薬もあります。
危険なのは早いタイミングで飲むこと
飲むタイミングを間違えた場合の話ですが、これは2つのパターンが考えられます。本来飲むタイミングより遅くなってしまったら、それは効果が切れている可能性が高いので、気付いた時点で飲んでも多くの場合は問題ありません。一方、本来飲むタイミングよりも早く飲んでしまったら、体内での濃度が必要以上に高まる可能性があるため、効果は下がらないとしても副作用を起こす危険は高まります。この場合でも、特に体調が悪くなければ様子を見ても良いですが、薬によっては思わぬ副作用が生じることもありますので、心配であれば一度医師や薬剤師に相談するとよいでしょう。
全ての薬には効果と副作用が存在します。期待通りの効果を得ながら、かつ不要な副作用のリスクを高めないためにも、定められた用法・用量は必ず守りましょう。
健康に関する素朴な質問を募集中!
質問の応募方法
皆さんからの、日常生活で気になるちょっとした「健康に関する質問」を募集します。いただいた質問は、谷崎医師がピックアップ(選択)し、「広報いせ」などで随時お答えしていきます。
募集期限
当面の間(新型コロナウイルスの感染が収束するまで)
質問方法
質問内容とともに住所・氏名・電話番号を記入し、直接または郵送・ファクス・Eメール・本ページ内の健康なんでも相談室質問受け付けフォームで伊勢市役所広報広聴課(〒516-8601 岩渕1丁目7-29、ファクス 22-9699、Eメール ise-koho@city.ise.mie.jp)へ
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