【質問】塩分を取り過ぎると、高血圧になるのはなぜでしょうか？高血圧にならないためにはどうすればよいのでしょうか？（「広報いせ」令和3年2月1日号掲載）

皆さんが疑問に思っている健康などに関する素朴な質問に対し、市立伊勢総合病院の谷崎医師がお答えします。さまざまな症状の患者さんに対応する「総合診療科」の観点から、分かりやすく「広報いせ」などでお答えしていきますので、皆さんの日常生活にぜひお役立てください。

【回答】塩分のせいで血管内の水分が増え、その結果、血圧が上がるからです。また、高血圧の予防には食事・運動・睡眠をはじめとした生活習慣のバランスを保つことが重要です。

塩分の取り過ぎが高血圧につながる理由

塩分の取り過ぎが高血圧につながるのには細かい理由がありますが、シンプルに考えるなら、「塩分が増えると水分が増えて圧力が高まるから」です。口から摂取した塩分はまず胃腸に入り、そこから血管内に吸収されます。すると、血液中の塩分濃度が上がるため、私たちの体内ではその濃度を薄めようと、血管内の水分を増やす働きが生まれます。結果、血管内を流れる血液の量が増え、細かい血管にかかる圧力が高まることで血圧が上がると言われています。

生活習慣の改善が大切

では、高血圧の予防は減塩だけで良いかというと、残念ながらそうではありません。私たちの体は非常に複雑な構造をしており、高血圧の原因はさまざまです。塩分の過剰摂取のほかに、肥満や喫煙、アルコールの多飲、運動不足、睡眠不足などがあり、これらの原因によって徐々に血圧が上がっていきます（ホルモン異常や睡眠時無呼吸が原因のこともあります）。例えば「たばこも吸わないし酒も飲まないけど、その分食べるのが好きで塩分を取り過ぎている状態」も「よく運動をしていて肥満でもないけど、たばこを吸う習慣があり、ほぼ毎日睡眠不足の状態」も、高血圧になる危険性があるという点では同様です。持病の関係で十分に運動できない人は、その分食事や睡眠など、他のことに気を付けて高血圧を予防しましょう。

正しい知識で健康づくりを！

私も患者さんから、病気にならないためにどうすれば良いか？ とよく聞かれますが、「やっぱり適量の食事をバランスよくとって、適度な運動の習慣があって、十分な睡眠をとることですかね。あと、たばこは吸わないことです。」と、何だかインパクトのない、悪く言えばつまらない内容でお答えしています。時々、テレビや新聞広告などで「これさえ食べれば（やめれば）健康になれる！」という、インパクトのある刺激的なフレーズを目にしますが、残念ながら人間の体はそんな単純なものではありません。広告主が本気でそう思っているとしたら明らかに勉強不足ですし、そうは思わないけれど「商品や本を売りたい！」と思っているならばそれは、皆さんの健康より自分の売り上げの方が大事、ということを意味します。テレビや書籍は皆さんの健康に責任を負いませんが、私たち医療従事者は皆さんの健康に対してプロとしての責任を負っています。もしも皆さんが生活習慣で迷うことがあれば、信頼できる医師や看護師、保健師、栄養士などにぜひ相談してください。

なお、加齢も高血圧の原因の一つですが、これは努力ではどうにもなりません。どうにもならないものがあるからこそ、食事や睡眠など、どうにかなるもので調整することが重要なのですね。

健康に関する素朴な質問を募集中!

質問の応募方法

皆さんからの、日常生活で気になるちょっとした「健康に関する質問」を募集します。いただいた質問は、谷崎医師がピックアップ（選択）し、「広報いせ」などで随時お答えしていきます。

募集期限

当面の間（新型コロナウイルスの感染が収束するまで）

質問方法

質問内容とともに住所・氏名・電話番号を記入し、直接または郵送・ファクス・Eメール・本ページ内の健康なんでも相談室質問受け付けフォームで伊勢市役所広報広聴課（〒516-8601 岩渕1丁目7-29、ファクス 22-9699、Eメール ise-koho@city.ise.mie.jp）へ

※質問者の住所・氏名・電話番号は掲載しません。（本取り組み以外には使用しません）
※質問内容・回答は、市のホームページ・SNS・ケーブル行政放送などの市広報媒体で掲載する場合があります。
※質問内容は、必ず「健康に関する質問」でお願いします。掲載に不適切であると思われる質問にはお答えできません。また、個人的な質問にはお答えしかねますので、あらかじめご承知おきいただきますよう、よろしくお願いいたします。
※いただきました全ての質問にお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

健康なんでも相談室質問受け付けフォーム

本受け付けフォーム内において必須事項を記入し、「内容」欄に質問内容とともに住所・氏名・電話番号をご記入ください。

• 健康なんでも相談室質問受け付けフォーム（広報広聴課へのお問い合わせシステム併用）