今回は、寒い季節の「入浴」について、その利点と注意点を谷崎先生に聞いてみました!(「広報いせ」令和7年1月1日号掲載)
皆さんが疑問に思っている健康などに関する素朴な質問に対し、市立伊勢総合病院の谷崎医師がお答えします。さまざまな症状の患者さんに対応する「総合診療科」の観点から、分かりやすく「広報いせ」などでお答えしていきますので、皆さんの日常生活にぜひお役立てください。
谷崎先生のお話
いよいよ本格的な寒さがやってきましたね。夏の暑い日はシャワーで済ませている人も、冬は湯船でポカポカ温まりたくなるのではないでしょうか。
入浴と「良い睡眠」
健康に関する話題で言うと、「点字広報いせ」令和5年11月号で、効果的な睡眠の取り方についてお伝えしました。おさらいすると、入浴などで深部体温を上げておくと、そこから1~2時間かけて体が元の体温に戻ろうとして「ぐっ」と下がる際に、いい感じの眠気が来て、良い睡眠につながるという利点がある、というものです。
入浴時に注意すべきこと
一方で、入浴に関する注意事項もあります。例えば、寒い脱衣所と暑い浴室を行き来した際に、急激な温度変化で血圧や心拍数が変動し、脳卒中や心臓発作を起こす、「ヒートショック」と呼ばれる現象がよくメディアなどで注意喚起されています。しかし、2017年に実際の入浴事故を調査した研究では、ヒートショックは入浴事故を経験した人のうちわずか7%程度で、入浴中の体調不良の84%が〝熱中症″だったのです。
「冬なのに熱中症?」と疑問に思うかもしれませんが、例えば41℃のお湯に30分つかると体温が3℃上昇すると言われており、季節に関係なく入浴により体温が上がれば熱中症の症状は出現します。よく「のぼせる」と言いますが、あれは熱中症の症状なのです。
熱中症の初期症状はめまいや立ちくらみなどですが、次第に頭痛・嘔吐・倦怠感が出現し、最終的には意識を失ったり痙攣(けいれん)したりします。そして、高齢になると自覚症状を感じにくくなるため、気が付いた時には熱中症が進行して、いきなり意識を失って浴室内で溺れるといった事故につながるのです。
入浴中の事故を防ぐために
実は、家庭内での溺死・溺水の割合は年々増加傾向であり、入浴する際には「風呂の湯温を上げ過ぎない」「長湯をしない」の2つが事故を防ぐための基本的な考え方になります。同居の家族がいる場合は、家族が入浴中にちょくちょく声かけをして返事があるかどうか確認するのも、事故を防ぐ上で良い方法になるでしょう。
適度な入浴を意識しましょう
人それぞれ、快適と感じる湯温は異なるとは思いますが、例えば睡眠の観点では入浴時間は40℃・15分間が一つの目安とされています。もちろん、熱い湯に入るなら入浴時間は短めに、ぬるい湯なら少し入浴時間を長めにする、といった調整は可能です。
何事もほどほどがよい、というのは入浴にも当てはまるのですね。
健康に関する素朴な質問を募集中!
質問の応募方法
皆さんからの、日常生活で気になるちょっとした「健康に関する質問」を募集します。いただいた質問は、谷崎医師がピックアップ(選択)し、「広報いせ」などで随時お答えしていきます。
質問方法
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(〒516-8601 岩渕1丁目7-29、ファクス 22-9699)
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健康なんでも相談室質問受け付けフォーム
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